プログレ/デュオの親密な曲10選

 ソロでは孤独だし、バンドだとメンバー全員の個性を立てるのが難しい。気の合う友人同士であれば、デュオという形態はミュージシャンにとってはやりやすいのかもしれない。しかしシンフォの場合は、2人だと音が薄くなりがちだという欠点があり、それをどう克服しているかが見ものでもある。

? The Mayflower / Jon & Vangelis [ The friends of Mr. Cairo 1981 ]

 ジョン・アンダーソンという人は、いろいろな人とコラボレーションをする人だが、ヴァンゲリスとの相性が最も良かったと思う。ヴァンゲリスは多彩なキーボードとドラムスができ、アンダーソンは誰にも出せない美声で歌える。プログレ会最強のデュオだ。4枚とも傑作だが、特に本作は静と動の対比がこの上ないほど奥深い。空、月、星々、空と波の音。ピルグリム・ファーザーズを歌ったこの曲は、澄み渡った清澄さだ。

? I dreamed last night / Justin Hayward・John Lodge [ Blue Jays 1975 ]

 ムーディー・ブルースの2人のフロントマン、ジャスティン・ヘイワードとジョン・ロッジは、ムーディーズの休止期にデュオのアルバムを出した。2人ともメロディーの美しい作曲ができて、ヴォーカリスト。2人の友情は50年以上続いて揺るぎない。この曲は、ヘイワードの曲で、透明感があって繊細な彼の声に続いて、息の合ったコーラスが聴かれる。メロトロンは使わずにオーケストラをバックにした。

? Violet purple rose / Chris Squire ・Billy Sherwood [ Conspiracy 2000 ]

 イエスの創設者クリス・スクワイヤとイエスを研究し尽くしたビリー・シャーウッドのデュオ・アルバム。本作が契機となって、やがてコンスピラシーというバンドへ発展する。スクワイアがシャーウッドへ後事を託したのも納得できる絶妙のコンビだ。明るい高揚感が更に昇華された作風。スクワイアがジョン・アンダーソンのようにハイトーンに張り上げる曲よりも、この曲のように自然に歌っている曲の方が素直にきれいだ。

? Only you / John Wetton ・Geoffrey Downes [ John Wetton ・Geoffrey Downes 2002(1982-89) ]

 ジョン・ウェットンジェフリー・ダウンズの80年代未発表曲集。本作を発表したことが21世紀のアイコンへとつながっていく。80年代には、エイジアの「アストラ」が商業的に失敗に終わり、再起をかけて2人で作曲していたようだ。デモ・テイクなので、完成度は高くないものの、ウェットンの若々しい声が切々たるラブ・バラードを歌い上げ、メロディーの奥深さはさすが。

? Star palace of the sombre warrior / Seventh Wave [ Psi fi 1975 UK ]

 セブンス・ウェイブは、ケン・エリオットがキーボードとヴォーカル、キーラン・オコーナーがドラムスを担当する2人組。2人なのに、いや2人だからこその壮大な曲だ。鐘、シンセサイザー、シャウト、合唱、オーケストラ。過剰な上にも過剰な音響の群れ。21世紀の今に至るまでこれ以上に大仰なシンフォを私は知らない。ドラマチックだが、どこか造り物めいたプラスチックのような感触がある。

? Video killed the radio star / The Buggles [ The age of plastic 1980 ]

 1980年に「ラジオ・スターの悲劇」を大ヒットさせたバグルズトレヴァ―・ホーンとジェフリー・ダウンズの2人組。もうプログレの時代は終わっていて、打ち込みリズムやピコピコ・シンセがテクノ・ポップ風。この2人をイエスに引き込んだのは、大冒険だったと思う。バックの女性コーラスはアメリカン。しかし、メロディーに悲哀感があるのが、英国的だ。

? Children of the sun / The Sallyangie [ Children of the sun 1968 ]

 時は実に1968年、マイク・オールドフィールドが15歳で、姉のサリー・オールドフィールドは20歳である。発売当初は話題にならなかった作品だが、今やブリティッシュ・フォークの古典的名作とされる。サリーが歌い、マイクが和する。生ギターに木管楽器の地味な曲だが、英国的。サリー主導のグループで、曲によってはオーケスオラが入る。

? Outside smile / Myriad [ Sea of the sinking sun 1996 Australia ]

 オーストラリアのミリアッドは、マシュー・ハインドルフがギター、ベース、キーボード、ヴォーカルとマルチに担当し、ジャスティン・ルービックがドラムス。音は薄いが、ジョン・アンダーソンに似たハイトーンのヴォーカルにリヴァーブが一杯にかかり、吸い込まれそうに深い静寂の曲が続く。ドラムスが入ると、砂浜に打ち寄せる波のように爽やかだ。

?Un cane / Paolo Rustichelli・Carlo Bordini [ Opera prima 1973 Italy ]

 パウロ・ルスティチェリ、カルロ・ボルディニによる「オペラ・プリマ」は、プロレスラー・ブッチャーが赤ん坊を抱いたようなインパクトの強いジャケットで、古くからイタリア名盤の1つとして知られる。ルスティチェリの方がメロトロンを含む多彩なキーボード群とヴォーカルを担当し、ボルディニはドラムス。分厚い音響の奔流の中に、張り上げる雄々しいヴォーカル。イタリア的な暑苦しさ満開。しかし2人の容姿はブッチャーと違って若き美青年だったのだ。

? October to May / Wakeman & Cousins [ Humingbird 2002 ]

 イエスリック・ウェイクマンとストローブスのデヴィッド・カズンズによるデュオ・アルバム。ウェイクマンの名前の方が先に出ているものの、カズンズが歌うと

途中です。